植物から学ぶ自然療法シリーズ 第3回
ハイビスカス ― 夏を彩る、ルビー色のハーブ ―
鮮やかな赤色が印象的なハイビスカス。
夏になると、ハーブティーやコーディアルなどで目にする機会も増える植物です。
その美しい色合いと爽やかな酸味は、暑い季節にぴったり。
古くから世界各地で親しまれ、植物療法でも暮らしに取り入れられてきました。
今回は、ハイビスカスという植物の魅力や楽しみ方についてご紹介します。
ハイビスカスってどんな植物?
ハイビスカスはアオイ科フヨウ属の植物です。
ハーブティーとして利用されるのは、 ローゼル(Hibiscus sabdariffa)という品種の「萼(がく)」の部分。 この赤い萼を乾燥させることで、私たちがよく知るハーブティーになります。
鮮やかな赤色と、キュッとした爽やかな酸味が特徴で、暑い季節にはアイスティーとしても人気があります。
観賞用のハイビスカスとは違うの?
夏になると南国を思わせる花「ハイビスカス」。
実は、ハーブティーとして利用されるハイビスカスは、私たちが花壇や鉢植えで見かける観賞用のハイビスカスとは品種が異なります。
どちらもアオイ科の仲間ですが、ハーブティーになるのはローゼルという植物です。
観賞用は花を楽しみますが、ローゼルは花が終わったあとに大きく育つ赤い萼を利用します。
同じ仲間でも、楽しみ方が違うのも植物の面白さですね。
ハーブとして楽しむ
ハイビスカスは、さまざまな方法で暮らしに取り入れられています。
- ハーブティー
- アイスティー
- コーディアル
- ジャム
- ゼリー
- シロップ
鮮やかな赤色は見た目にも美しく、食卓を彩ってくれます。
暑い日に冷たいハイビスカスティーを一杯飲むと、気分までリフレッシュできます。
ハイビスカスはなぜ酸っぱいの?
ハイビスカスを飲んで最初に感じるのが、爽やかな酸味です。
この酸味は、クエン酸やリンゴ酸などの有機酸によるものです。
レモンにも含まれるこれらの成分が、ハイビスカスならではのすっきりとした味わいを生み出しています。
暑さで食欲が落ちやすい季節にも飲みやすく、冷やして楽しむ方も多いハーブです。
🌿植物の豆知識
「ハイビスカス」という名前を聞くと、大きな花を思い浮かべる方が多いかもしれません。
実は、ハーブティーに使われるローゼルの花は、観賞用ほど派手ではありません。 花が咲いたあとに育つ赤い萼こそが、私たちがハーブとして利用する部分です。
花を楽しむ植物だと思っていた方にとっては、少し意外ですよね。
植物を知ることで、「見る植物」から「暮らしに活かす植物」へと、新しい楽しみ方が広がります。
九州だからこそ楽しめる、生のローゼル
九州では、夏から秋にかけて生のローゼルが道の駅や直売所で販売されることがあります。
家庭菜園でも育てることができますが、とても大きく育つ植物なので、初めて見る方は驚かれるかもしれません。
もし生のローゼルを見かけたら、ぜひ一度手に取っていただきたい植物です。 乾燥ハーブとはまた違った、生ならではの美味しさを楽しむことができます。
① ローゼルの砂糖漬け
おすすめしたい楽しみ方の一つが、ローゼルの砂糖漬けです。
作り方はとても簡単。 ローゼルの萼にお砂糖をまぶして、一晩置くだけです。
すると、鮮やかなルビー色のシロップが自然と出てきます。 このシロップは、水や炭酸水で割れば、まるでコーディアルのような爽やかなドリンクになります。
残った果肉は、そのまま食べても美味しく、少し煮詰めればジャムとしても楽しめます。
火を使わずに作れるので、暑い夏のおやつや補食にもおすすめです。
② ローゼルの塩漬け
もう一つおすすめなのが、ローゼルの塩漬けです。
こちらも作り方はとてもシンプル。 ローゼルに塩をまぶして漬けるだけ。
ほどよい酸味とカリッとした食感で、まるでカリカリ梅のような味わいになります。
ご飯のお供や、お弁当の箸休めとしてもおすすめです。
ローズヒップとの名コンビ
ハーブティーでよく見かける「ハイビスカス&ローズヒップ」。
これは、ハイビスカスの爽やかな酸味と、ローズヒップのやさしい風味がお互いを引き立てる組み合わせだからです。
私の講座でも、この二つを使ったコーディアル作りは人気があります。
植物の色、香り、味を五感で楽しむことで、自然をより身近に感じることができます。
🌿植物をもっと知る
| 学名 | Hibiscus sabdariffa |
|---|---|
| 科名 | アオイ科 |
| 使用部位 | 萼(がく) |
| 原産地 | 西アフリカ(諸説あり) |
| 特徴 | 鮮やかな赤色と爽やかな酸味 |
| 暮らしでの楽しみ方 | ハーブティー・コーディアル・ジャム・ゼリー・砂糖漬け・塩漬け |
ミキティ先生のワンポイント
もし道の駅などで生のローゼルを見つけたら、ぜひ手に取ってみてください。
乾燥ハーブでは味わえない、みずみずしい酸味や鮮やかな色を楽しむことができます。
植物は「見るもの」だけではありません。 香りを感じ、味わい、暮らしに取り入れることで、その魅力をもっと身近に感じられます。
前回の記事はこちら
植物から学ぶ自然療法シリーズ 第2回では、レモングラスをご紹介しました。
レモングラスは、料理やハーブティー、アロマテラピーなど、さまざまな場面で活躍する植物です。
ぜひあわせてご覧ください。
植物から学ぶ自然療法シリーズ 第2回「レモングラス」
次回予告
次回はローズヒップをご紹介します。
「ビタミンCの爆弾」とも呼ばれるローズヒップ。 ハイビスカスとの相性や、植物としての魅力を一緒に学んでいきましょう。
🌿 植物を知ることは、自然とともに暮らすこと。
毎日のちょっとした積み重ねが、
未来のこころとからだを育みます。
日髙 美紀(ミキティ)
自然療法 salon & school Gentil 代表
作業療法士
NARD JAPAN認定アロマ・インストラクター
NARD JAPAN認定アロマ・セラピスト