植物から学ぶ自然療法シリーズ
第11回 ローズマリー
― 若返りのハーブがつなぐ、香り豊かな暮らし ―
爽やかで清々しい香りが魅力のローズマリー。
料理に使うハーブとしてよく知られていますが、ハーブティーやクラフト、アロマテラピーなど、さまざまな場面で活躍する植物です。
古くから「若返りのハーブ」として親しまれ、ヨーロッパでは「記憶のハーブ」とも呼ばれてきました。
今回は、そんなローズマリーの魅力と、私が毎年楽しみにしているハンガリーウォーターについてご紹介します。
ローズマリーってどんな植物?
ローズマリーはシソ科の常緑低木です。
地中海沿岸を原産とし、一年を通して爽やかな香りを楽しめる植物として親しまれています。
料理に使われるだけでなく、ハーブティーやクラフト、アロマテラピーなど、暮らしのさまざまな場面で活躍しています。
また、ヨーロッパでは「若返りのハーブ」「記憶のハーブ」として語り継がれ、人々の暮らしに寄り添ってきました。
ハーブとして楽しむ
ローズマリーは、料理との相性がとても良いハーブです。
肉料理やじゃがいも料理、パンなどに加えると、爽やかな香りが広がります。
ハーブティーとして楽しむこともでき、すっきりとした香りが気分転換にもぴったりです。
飲む・食べる・香る。 一つの植物で、さまざまな楽しみ方ができることも、ローズマリーの魅力です。
暮らしの中で楽しむローズマリー
私が毎年楽しみにしているのが、ローズマリーを中心に、ローズやラベンダーなど数種類のハーブを使って仕込むハンガリーウォーターです。
ハンガリーウォーターは、世界最古の香水ともいわれ、ハンガリー王妃エリザベートにまつわる伝説でも知られています。
70代だった王妃がローズマリーを中心としたハーブをアルコールに漬け込んだハンガリーウォーターを使い続けたことで若々しさを取り戻し、隣国の王子から求婚されたという逸話が語り継がれています。
今年も3月に仕込んだハンガリーウォーターを、つい先日ゆっくり濾して仕上げたばかりです。
ハーブクラフトは、一日で完成するものではありません。 毎日少しずつ植物の香りが移り、時間をかけて出来上がります。 完成を待つ時間も、植物と向き合う豊かなひとときです。
出来上がったハンガリーウォーターは、お風呂に入れたり、手作り化粧水の材料にしたりして楽しんでいます。 また、私は飲用を目的に仕込んだものを紅茶にほんの数滴加え、香りを楽しむこともあります。
アロマテラピーとして楽しむ
ローズマリーは、アロマテラピーでも代表的な精油のひとつです。
ローズマリーにもいくつかのケモタイプ(化学種)があり、育つ環境によって芳香成分や香りの印象が異なります。
同じ植物でも、土地や気候が変われば香りも変わる。 植物には、一つひとつ個性があります。
植物の個性を知ることは、自然を知ること。 そんな視点も、植物療法の大きな魅力のひとつです。
🌿 植物の豆知識
「ローズマリー(Rosemary)」という名前は、ラテン語の「海のしずく(Ros marinus)」が由来といわれています。
地中海沿岸に咲く青紫色の花が、朝露をまとったように美しく見えたことから名付けられたと伝えられています。
植物には、それぞれ名前の由来や歴史があります。 そんな物語を知ることも、植物療法の楽しみのひとつです。
🌿 植物をもっと知る
| 学名 | Salvia rosmarinus |
| 科名 | シソ科 |
| 使用部位 | 葉・花 |
| 原産地 | 地中海沿岸 |
| 主な芳香成分(精油) | 1,8-シネオール、カンファー、ベルベノン など(ケモタイプにより異なります) |
| 暮らしでの楽しみ方 | 料理・ハーブティー・ハンガリーウォーター・アロマテラピー・クラフト |
ハーブとアロマテラピー、それぞれの魅力
ローズマリーは、料理やハーブティーとして親しまれるだけでなく、アロマテラピーでも代表的な植物のひとつです。
ハーブとしては、食卓やティータイムに爽やかな香りを添え、暮らしを豊かにしてくれます。
一方、アロマテラピーでは、ケモタイプによって香りや特徴が異なることもローズマリーの魅力です。
同じ植物でも、育つ環境によって個性が生まれることを知ると、植物との向き合い方が少し変わるかもしれません。
🌿 ミキティのワンポイント
ローズマリーは、摘みたての爽やかな香りも魅力ですが、時間をかけて香りを引き出すことで、また違った表情を見せてくれる植物です。
ハンガリーウォーターも、一日で完成するものではありません。 毎日少しずつ植物の香りがアルコールに移り、数か月かけてゆっくりと育っていきます。
完成を待つ時間も、植物と向き合う豊かな時間。 そんな時間そのものも、私にとっては植物療法の楽しみのひとつです。
植物は、私たちに「待つ楽しみ」や「季節を感じる喜び」も教えてくれる存在なのかもしれません。
前回の記事はこちら
前回は、料理やアロマテラピーで活躍するタイムをご紹介しました。
古代エジプトでの利用や、ケモタイプという植物の個性についてもお話ししています。
ぜひ、あわせてご覧ください。
次回予告
いよいよシリーズ最終回。
最後は、私自身も大好きな植物「ゼラニウム」をご紹介します。
香りが心にそっと寄り添い、暮らしを彩ってくれるゼラニウム。 シリーズの締めくくりとして、その魅力をお届けします。
植物から学ぶ自然療法
植物を知ることは、自然とともに暮らすこと。
植物は、香りや色、形だけではなく、育つ時間や歴史までも私たちに届けてくれます。
その恵みに触れながら暮らすことは、忙しい毎日の中で自然とつながる大切な時間になるのかもしれません。
毎日のちょっとした積み重ねが、未来のこころとからだを育みます。
この記事を書いた人
日髙 美紀(ミキティ)
自然療法 salon & school Gentil 代表
- 作業療法士
- NARD JAPAN認定アロマ・インストラクター
- NARD JAPAN認定アロマ・セラピスト
- アロマ・フランス認定クレイテラピスト
病院や訪問リハビリでの経験を活かし、アロマテラピーやハーブ、クレイなどの自然療法を通して、一人ひとりの暮らしに寄り添うセルフケアをお伝えしています。
🌿 最後までお読みいただき、ありがとうございました 🌿